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☆研究学園校ブログ☆

スマホ世代と教育現場

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 スマホが登場してから十数年。現代の子どもたちはデジタルネイティブと呼ばれる、私たち大人世代が生きてきた時代とは異なる環境下で成長しています。本作品ではスマホやSNSの発達が子どもたちに及ぼした影響と現場の声を豊富に拾い上げたルポタージュとなっております。

 現代の小中高の教室では、いわゆる仲良しグループの規模が縮小する傾向にあると言います。2~3人の小規模メンバーで共通の話題などで盛り上がり、学校以外ではまた別の小規模メンバーとSNSを通じてコミュニケーションを取るという傾向にあるそうです。その原因として、「推し」や趣味の細分化が挙げられています。かつての様な一つの大きなグループが好きなのであれば、多くの人と共有できていました。それが、今ではよりコアなグループや声優の情報をSNSで得ることができるため、推しや好みが細分化してしまっているのです。この傾向は小学生より上の中学生や高校生でより顕著となります。こうした小規模のグループこそあれど、リーダーやまとめ役の様な存在が現れにくいのが特徴となっています。
 また、いじめの定義の曖昧化も指摘されています。暴力や直接的な行動は減っていく一方で、SNSを介した精神的な追い詰めが現代の教室には広まっているといいます。スマホという常時接続できる手段があれば、校内では異変がなくても、LINEでの仲間はずれや誹謗中傷が可能となります。しかも、その状況を現場の先生は事態が悪化するまで気づくことができません。かつての様に教室内で起こる出来事であれば、すぐに生徒間の異常を察知できたかもしれませんが、主戦場がSNSになってしまえば先生が把握するのは困難になるということです。
 このように、今や私たち大人世代が想像できない行動原理で生活しているのが令和の子どもたちです。言っても通じない、分からないという事態があらゆる教育現場やご家庭で起きている事と思います。私たちにできることは、子どもたちを取り巻く環境が変わって来たのだという事実を認識し、変化を見逃さずサポートしていくことです。大人の側も、デジタルネイティブに合わせた指導、教えを模索してゆくべきでしょう。
 
2024年10月10日 13:12

経済評論家の絶筆原稿

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 お金と資産運用について持論を展開し続けた経済評論家による最後の著作ー本作品は2024年1月に逝去された山崎元氏が癌宣告を受け、最期を迎えるその時まで考え続けた人生の本質についての作品である。癌とういう病気は患者に「この制約下に、あなたの目的を最大化しなさい」ということを意識させる。山崎氏の場合は、その制約が1年、6ヶ月、1ヶ月と変化する度に生きる目的と幸福の追求を定義し直し前向きに過ごした。

 余命宣告を受けるにあたり、山崎氏が取り組んだことは経済評論家としての仕事の整理と、家族、住まいを含めた身辺整理。仕事は病床でもできる原稿執筆や簡単な取材のみに絞る。住居や持ち物については、「どうでもいいこと」への拘りを捨て、潔く断捨離を決行。それまでの物欲が、いかに過剰な自意識と社会的同調圧力によって形成されてきたかを実感。ここでも、山崎氏の言う「マーケティングの解毒」が現代人にとって心理的にも経済的にも有効なことが文面から強調されているようだ。

 お金の追求は時に幸福の追求を妨げる。山崎氏は莫大な資産より、良好な人間関係を究極的には選ぶと言う。莫大な資産も、それを共有して喜べる、または評価してもらえる他者がいなければ意味がない。そういった点から、人間関係、そしてそれを作るための経験にこそ幸福に繋がる要素がある。自分に対する世間からの評価や眼差しはいわば「サンクコスト」。変えることもできなければ、気にしても意味はない。それに対して、これからの自分、幸福は最後の1日まで追求することができる。
経済評論家による最後の論考は、意外にも貨幣価値を求めることよりも、身近な人間関係を求めることによる幸福を導き出していた。
2024年08月03日 14:10

最近本読めていますか?

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 最後に長編小説を読んだのはいつだろう...。もしかしたら学生時代まで遡らないと思い出せないくらい、長編小説、いや小説さえきちんと読めていない。そんな実感を、本書のタイトル「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(集英社新書 三宅香帆著)は思い起こさせてくれます。

 本を読めない理由なんて簡単だ。時間がないからだと答えたそこのあなた。スマホは見ているのではないですか?YouTubeは観ているのではないですか?そう、本を読めない理由は、単に時間がないからという理由だけではないのです。本書では、読書行為が日本に広まりだす明治時代まで遡り、読書という行為がどの様に発展し、そして衰退していったのかを、日本人の働き方の推移と絡めながら解説しています。著者は現代人にとって、読書とは「ノイズ」であると表現します。本はある程度分野分けこそされているものの、知りたい情報へと一直線ではありません。小説ともなれば、余計な行間や横道のオンパレードです。知りたい情報に対してならば、真っ直ぐネット検索、 SNS検索へ向かえば済んでしまうのが現代社会です。余計な情報(ノイズ)は排除して、最適化された人生を生きたい。余白を残したくない効率的な現代人にとって、読書はあまりにも非効率です。ビジネス書ですら、事例やエピソードが入れば情報に対して一直線とは言い切れません。そうした現代人の思考、ライフスタイルには、読書よりもSNSやオンラインコミュニティに時間を割く方がしっくり来ます。

 では平成や昭和の人はどうしてあんなに働いていたにも関わらず本が読めたのか?その答えは日本のサラリーマン文化発祥まで遡り、日本の戦後復興と企業文化、さらには女性の社会進出といった日本の社会史のかなり深い部分にあります。読書好きにはもちろん、日本史好きにもおすすめしたい一冊です。なかなか本が読めないと悩んでいるそこのあなた。休日の少しの時間を割いて、ぜひ本作品に触れてみて下さい。きっとそこに、読めない理由と、今後の解決策が眠っているはずです。

 
2024年05月18日 13:32

[神経可塑性]運動と脳の関係

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[神経可塑性]運動と脳の関係

 「スマホ脳」「ストレス脳」で大ブレイクしたアンダース・ハンセン氏の名著「一流の頭脳」を振り返りたいと思います。今もなお店頭に平積みされている「スマホ脳」「ストレス脳」ですが、これら作品の源流にあたる作品が今回の「一流の頭脳」です。

 「一流の頭脳」の章立てにはストレス対処、集中力、記憶力、学力などが含まれています。全ての章で共通して結論づけられているのが、運動こそが健康な脳と人生に有効であるということです。実験や統計データの分析から、激しすぎない適度な運動を続けることが、脳の働きと健康に好影響を及ぼすという結論を導いています。ストレスや精神疾患についても、投薬治療以上に運動習慣がもたらす改善効果を紹介しています。

 今回の作品でもう一つ強調されていることが神経可塑性です。運動を習慣的に行う行動変化や、考え方を改善する時に見られる脳の変化を言います。神経可塑性は子どもの時期の方がより柔軟性が高く、習い事や学習に活かすべきとされています。一方、大人になると神経可塑性は失われるかというとそうではありません。神経可塑性という脳の特質は老齢になっても失われることはありません。新しいことを覚える、習慣を変えるなどは大変な労力に思われるかもしれませんが、脳に備わっている神経可塑性を持ってすれば、それは不可能ではないということが分かります。ハンセン氏の著作に共通して見られる運動の大切さ、そして脳の持つ神経可塑性こそが、人生100年時代を前向きに生きる一つのヒントとなっていると言えます。
 
2024年04月17日 14:56

[令和6年]何に挑戦しますか?

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[令和6年]何に挑戦しますか?

 いよいよ2024年(令和6年)を迎えました。新年に今年のやりたいことや目標を掲げた方も多いのではないでしょうか。
今回は作家の羽田圭介さんが30代でまだしたことのなかったことに初挑戦してみた、成長と気づきの作品をご紹介します。

 地域のスポーツクラブ、ダンス教室、サバイバルゲーム、ロッククライミング...。聞いたことはあるけど、実際にやったことはない活動が誰しもあるはず。
そうした世界に、作家の羽田さんが果敢に挑戦し、作家独自の切り口でその学びと気づきを披露してくれます。例えば、パーソナルカラー診断。プロによる肌のカラー診断により、客観的に自分に合うカラー、スタイルを提案してもらう羽田さん。しかし、実際のショップ巡りに行っても、選びそうになるのはいつも着慣れている黒基調の服ばかり。客観的に似合うとされている服を着るにも、自分の慣れや頑固さが邪魔してしまう結果を知ることになりました。
 新しい何かを始めるには、環境を変えることもさることながら、自分自身の気持ちとどう折り合っていくかが大切であると気付かされました。本作品の様に多くの事には挑戦できないかもしれませんが、まずは自分の心の声と向き合った上で、新しい一歩を踏み出せる一年にしましょう!
2024年01月12日 15:31

[休息術]Time Off

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[休息術]Time Off

 ハードワークに仕事をこなすより、休息を取り入れることによって生産性と創造性が上がるとしたら。本作品はそんな戦略的な休息術を古今東西の事例から紹介しています。事例の中には週休4日の会社や、フルリモートで好業績を維持する企業が登場してきます。令和の時代、一人の人間として良く働き、かつ生産性を高めることが可能になってきています。

 近代以降の労働時間として規定されることの多い1日8時間労働。実はこの時間自体も休息を取るために減らされた上での8時間労働だったのです。工場勤務が広がり始める中、12時間、14時間も勤務しているとかえって生産性が低下すると見抜いたアメリカのフォードが、集中力を発揮できる時間と休息とのバランスを考慮して作ったのが1日8時間労働だったのです。現代まで続くこの8時間労働ですが、いまリモートワークや雇用形態の柔軟性により1日6時間、4時間労働が可能になりつつあります。そして余った時間を、余暇、戦略的休息に当てることが推奨されています。

 余暇、休息は古代ギリシャの時代には最も価値ある時間として考えられていました。現代とは異なり、余暇を主体に生きることが価値ある生き方とされていました。奇しくも2020年のコロナ感染症の蔓延により、趣味の時間、一人の時間を考える機会に恵まれた人も多かったと思います。半強制的に社会や交流関係から一時的に遮断されることで、今までの人生の経過、これからの生き方、働き方に思いを巡らせることができた人もいたでしょう。そうした一人のゆっくりとした時間に、ひらめきや創造性が発揮されることがあるのです。一気に一人時間を確保するのが難しい場合は、週末の運動、旅行、ソロ活でも十分にタイムオフすることができるでしょう。忙しいスケジュールの合間に、こうした戦略的休息時間を持つと、思わぬ気づきや発明があるかもしれません。

 
 
 
2023年09月22日 15:09

[超自習法] ウルトララーニング

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[超自習法] ウルトララーニング

 今回はどんなスキルでも最速で習得できるウルトララーニングを、「超・自習法」(スコット・H・ヤング著)よりご紹介したいと思います。本作は著者のスコット氏がMIT(マサチューセッツ工科大学)に通学する事なくMITの在学生よりも短期間に学習を達成させた経験から導かれています。

 ウルトララーニングは大きく9つの原則から成り立っています。①メタ学習(初めに学習の地図を描く) ②集中(ナイフを研ぎ澄ます) ③直接性(一直線に進む) ④基礎練習(弱点を突く) ⑤回想(テストする) ⑥フィードバック(パンチから逃げない) ⑦保持(穴の空いたバケツに水を入れるな) ⑧直感(深掘りする) ⑨実験(探求する)の9つです。この中から、テストや受験勉強にも応用できそうな原則をピックアップしてみました。一つ目は①のメタ学習です。実際の学習を始める前に、試験方式や科目、配点などを俯瞰して、学習内容の優先順位や重点箇所を明らかにすることです。指導者や達成者に直接話を聞いたり、合格体験記などから情報を集めるのもこの段階に含まれます。二つ目は③の直接性です。これは、目指している実際の試験やテストに即した学習をするということです。学習の初期段階として、知識事項をカードやノートで暗記すると思いますが、実際の試験ではその単語がそのまま出てくるとは限らず、問題文中や回答のヒントにとどまることがあります。ですので、暗記した知識は実際の試験で問われる形式で演習したり、問題に当たらなければならないということです。過去問や問題演習が大切な理由も、この直接性が活かされるからです。三つ目は⑤の回想です。覚えた知識やスキルは、定期的に思い出す経験がなければやがて忘れ去られていきます。多くの学習機関で確認テストやチェックテストが設けられているのも、知識の忘却を防ぐために設けられています。テキストや講義を受けただけでは知識の定着は不完全なため、学習直後、一定期間後、試験前などスパンを決め、回想を意図的にはさむ必要があります。
 超自習法は天才ではないけど何かを達成したい人や、試験をクリアしたい、技術を習得したいなど多くのラーナーに寄り添ってくれるはずです。受験勉強やテスト勉強にも応用可能なので、上記①〜⑨の学習原則を意識して目標とする点数、スキルを目指してみてはいかがでしょうか。
 
2023年08月07日 20:06

[インフルエンサー] もしかしてあなたも?

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[インフルエンサー] もしかしてあなたも?

 今回はドイツのライター、ミハエル・ナストさんの「あなたもインフルエンサー?」をご紹介します。ドイツに生きる人々の生態を分析しつつ、誰もが自己演出できる時代の正の側面と負の側面をどこかユーモラスに切り取っていきます。

 ドイツ各地からベルリンへと夢をつかむべく訪れる若者やビジネスパーソン。それも、働く業界は決まってITかメディア関連、それかスタートアップ。働く場所はオフィスとは限らず、MacBookを携えてカフェにいるその人もきっとベルリンの住人のはず。隣の席で忙しそうに通話しているそこの人も、ベルリンで何かをつかみに、あるいは既につかんだと思っている人かもしれない。彼らの特徴は、会話の中にやたらと業界用語やビジネストピックが連発する事と、自己演出に長けている点。スマートフォン一つあれば、充実感のある仕事を持ちつつ、週末だってショッピングやレジャーで私生活も満喫していますと世界に向けて発信する...。でもそれって、本当の、人間としてのあなたの姿ですか? ベルリンの市民像を演出しているだけではないですか?と本書は問いかけています。
 現代の都市部におけるライフスタイルや、SNS社会の発達は、私たちを否が応にも現実社会から引き離そうとしてきます。今や誰もがちょっとしたインフルエンサーです。流行りのカフェ、話題のショップ、レジャースポットを投稿すれば、人生を楽しんでいる自分を演出することができます。ただ、そうした暮らし、仕事、持ち物は本当に自分が心から選び取ったものなのか、あるいは無意識の内に選ばされたものなのかもう一度考えてみましょう。著者のミハエルさんはそうした現代の都市に住む人々へ核心的な問いを投げかけています。
2023年04月08日 15:09

[国語力] 国語をしっかり学べていますか

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[国語力] 国語をしっかり学べていますか

 国語の学習、みなさんはしっかりできていますか。今回は本当の国語力を追求した福嶋先生ご著書「国語が子どもをダメにする」をご紹介したいと思います。本作は国語の勉強の技術的ポイントにも触れていますが、何といっても学校、塾、そして試験制度にこそ国語力を低下させる要因があると分析している点が面白いです。

 国語の教員経験者でもある福嶋先生からすると、学校で行われている国語の授業に不安要素が多いそうです。指導する教師の力量にもよりますが、単に文章を読み、その感想を発表・共有するという安易な発表授業になっていないかということです。教科書の文章を読み、その感想を持つだけの授業では読書と大差ありません。「国語」という授業ですから、教科書の文章は素材であり、テーマに過ぎません。その素材を使って、どう国語の表現力を学び、日本語の論理力を養成するかが本来の国語の授業です。また、塾・予備校で時に見られるテクニックに偏った授業についても言及しています。かつてのセンター試験の択一式の設問を突破するテクニックには、設問文を読むだけで正解を導けるものがあります。問題の本文を読まずして正解を導けてしまうような試験では、受験生の本当の国語力を見抜くこともできなければ、受験生の側もきちんとした国語の勉強をせずに受験を突破できてしまうという負の連鎖を止めることはできません。センター試験に限らず、マーク形式を採用している国語の試験は同じような問題点をはらんでいます。

 本作の後半の章では、国語教育への提言もなされています。上記に挙げた試験の問題点については、量・スピード重視のマーク式を廃止し、文章の理解力を問う記述式問題の採用を提言しています。問題文の主張、論理構造をきちんと理解できているか、それを自分の言葉で記述できることが国語力の証明となります。こうした点から、福嶋先生は慶應義塾大学の小論文の問題を高評価しています。慶應義塾大学は試験科目の「国語」の代わりに「小論文」を設けていることが知られていますが、マーク式では本当の国語力を正しく判定できないというメッセージとも受け取れるでしょう。

 国語を学習・指導する側にとって耳の痛い内容も多い作品でしたが、「国語」とは何を学ぶものなのか、どう習熟度を上げるべきかについて改めて考えさせられました。従来型の読解量重視、スピード重視の欠点を自覚し、基礎的な言語技術、論理力の指導こそが必要であると再認識しました。
2023年03月21日 14:13

[読書力]本と学力

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[読書力]本と学力

 本を読む子どもは学力が高いのか?本作品ではこの問いに対して小中学生約4万人の調査データを元に徹底的に迫っていきます。また、読書への入り口となる読み聞かせの効用についても、子ども・親双方の脳反応から解析しています。

 読書が学力に与える影響についてまず明らかになったのが、小5〜中3の平日読書時間が30分に満たないと4教科の偏差値が50以下、30分以上になるにつれて偏差値50以上へと上昇していく傾向があるということです。ここには勉強時間は含まれていないので、純粋に生活の中に読書習慣がある子どもの学力が高いということを示唆しています。ちなみに、どの科目に最も影響を与えるかについても調査がなされていますが、国語の学力に最も貢献しているのは当然として、算数・数学についても学力に対する寄与度が見られました。算数の文章読解や論理力といった点に読書が好影響を及ぼしているようです。いわゆる「頭の回転が速い」という現象も、読解を通した言語理解の神経回路強化が進んでいる、という説明ができるようです。

 本作品では読書と同様に幼少期の読み聞かせも脳内の情動を司どる分野や言語理解分野を成長させることを示しています。小学校に上がる前段階からの読み聞かせをすることで、国語力と共に感情・心情の成長を期待することができるようです。読書力を幼少時に身につけさえすれば、あとは本人の興味に従って読書を積極的に行っていくことでしょう。幼少期、学齢期からの読書経験がその先の高校入試や大学入試にまで通ずると考えれば、読書がいかに身近で、かつ有用なものであるかが分かります。

 
2023年01月12日 14:45
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