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☆研究学園校ブログ☆

【北鎌倉女子学園】Apple認定Distinguished School

【北鎌倉女子学園】Apple認定Distinguished School 

 古都鎌倉の山の上にある北鎌倉女子学園(通称キタカマ)をご存じでしょうか。朝は「ごきげんよう」の挨拶から始まる、のびやかな自立した女性を育てることを理念に掲げる中高一貫校です(高校からの入学も可能)。中高それぞれ普通科と音楽科があります。知性と共に品性を重んじる校風は女子校らしく、一方で国内屈指のICT導入教育を行うことで、グローバル化する世界で活躍できる生徒を育てています。中学偏差値は40~42(首都圏模試)、高校偏差値は47~57となっています。中学入試には通常の4科目入試の他、算数入試、英語プレゼン入試といった独特な入試方式もあります。学校の教科書レベルを十分に理解し、過去問で演習対策を行うことで合格ラインを目指せます。

 北鎌倉の落ち着いた周辺環境と女子校という伝統を活かし、鎌倉市と連携した文化活動や、行事、語学教育に力を入れています。バリバリの受験勉強漬けではない点がキタカマの良さでもあります。また、Apple社認定の学習環境、革新的な指導も売りで、全館Wi-Fi完備、電子黒板、iPadは一人一台、生徒用PCはMacBook Airという充実ぶりです。先進的なICT教育は授業の質も上げており、iPadを活用することで動画、描画、作曲、プレゼンテーションの幅が広がり、それぞれの探究学習につなげています。その成果は総合探究(KGプロジェクト)と呼ばれるプロジェクト学習に表れており、各自の興味に基づいて芸術、農業、国際、サービス等でのフィールドワーク、研究を通して将来の職業観ににつながる学びを展開しています。このような生徒個人の特性や趣向に沿った学びはアダプティブ・ラーニングと呼ばれ、これからの社会を生き抜く上で自分が何が好きで、何を目指したいのかを発見する手助けとなります。キタカマの国内屈指のICT教育環境が、まさにアダプティブ・ラーニングを支えているといえます。

 今回はICT先進教育の実践校として紹介しましたが、それ以外にもキタカマの良さはあります。教室は予備校を思わせるほどきれいな机と椅子が設置され、音楽科を擁することから音楽教室、練習室、個人指導室が充実しています。北鎌倉の四季あふれる静かな環境で学べることは精神面にもプラスの影響を与えるでしょう。自分の興味をじっくりと発見、探究したい生徒、充実したICT環境で学びたい生徒にはお勧めの学校です。


北鎌倉女子学園HP:https://www.kitakama.ac.jp
2022年02月21日 15:23

【2022年度茨城県立中学校】適性検査講評

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【2022年度茨城県立中学校】
 適性検査講評


 2022年度の茨城県立中学校適性検査は、昨年度の記述採点のミスの反省を踏まえ、記号問題が大幅に増加しました。適性検査対策として記述対策を重点的に行なっていた塾も多かったと予測できるので、この記号問題の多さに面食らった受験生もいたことでしょう。もっとも、難問と分類されるような設問はなかった印象なので、形式が異なったとはいえ、通常の受験勉強をきちんと行なっていれば高得点が可能な内容だったのではないでしょうか。人気校の倍率は水戸一高付属中が4.91倍、水海道一高付属中が3.78倍、並木中等が3.67倍、土浦一高付属が3.21倍となっています。

 適性検査Iは例年通り算数的分野と理科的分野から各2大問ずつの構成となっています。算数分野では図形と角度の標準的な問題、組み合わせ・規則の標準的な問題の出題となっており、図示や書き出しながら考えることで解答を導くことが可能となっており、見積りと計算速度がトレーニングされていれば時間内に完答可能な内容でした。理科分野では生物の観察、食物連鎖、振り子の運動とメトロノームの応用問題が出題されました。生物の観察からは、教科書や資料をきちんと読んでいれば正答可能な内容で、写真などをきちんと見ている生徒には容易だったでしょう。振り子の運動とメトロノームの問題では、図とグラフからヒントを読み取ることも可能で、対策していれば早く正答することが可能ですが、予想できなくても当日読み解くことが可能な内容でした。

 適性検査Ⅱは大幅に記号問題が増え、正確な読み取りと読解スピードが求められる内容となっています。出題された記述問題の分量も20字~30字程度で、80字以上の記述対策に時間を割いていた関係者は拍子抜けしたかもしれません。社会分野からは地図記号の読み取り、複数のグラフ・表の読み取りが出題されており、難易度は例年より易し目となっています。歴史・公民の用語を書かせる出題はなく、公立校受験生に不利とならない様な配慮を感じます。

 今回の適性検査は適性Ⅱで記号問題が増加したことにより、合格基準ラインも上がっています。合格ラインが高いということは、イージーミスが致命傷につながるという事でもあり、日頃から簡単なミスをしない丁寧な学習が必要でしょう。また、私立中学受験生に有利に働かない様な問題を作成していることから、公立校のみの受験生も標準的な演習と過去問を繰り返す事で合格を勝ち取れるものであると考えられます。難関中学と併願する生徒はもちろん、公立校にしぼって受験する生徒双方にチャンスのある入試であることに変わりはありません。出題形式に惑わされない、盤石な学習が合格を引き寄せます。来年度の受験を目指す新小学6年生にも、前向きなエールを送りたいと思います。
2022年02月19日 14:05

【最高の子育て】遺伝子には個性という余白がある

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【最高の子育て】遺伝子には個性という余白がある

 今回は小児科医・高橋孝雄先生の「最高の子育て」から子どもの能力に環境や遺伝子がどう影響しているのかについてご紹介したいと思います。小児科医としての数々の臨床経験から、生育上の悩み、学校の悩み、習い事の悩みに科学的に答えています。ここでは、誰もが気になる遺伝子が才能にどう関わってくるのかという点にしぼって考えていきたいと思います。

 まず、外見、運動能力、お酒に強いか弱いかといった身体的特徴に対しては、遺伝子が有意に関わってくるそうです。そのため、他の子と比較して何か苦手な事があった場合、それが運動や生体上のことでしたら無理に直そうとしても無駄に終わるケースが多いということです。苦手分野ばかり見つけるのではなく、かけっこがどうしても遅いと思っていたら、持久力は高かった。お絵描きは特に上手ではなかったが、歌のリズム感や聞き取り能力が高かったなど、そうした優勢な特性を見抜くことが大切だと高橋先生は説明されています。才能の片鱗を親が見抜けなくても、成長の過程で本人が自覚することもあれば、習い事の先生を通して伝えられることも多々あるそうで、この意味で幼少期に習い事をさせると、その子の優勢な分野が早期発見できるかもしれません。才能や能力を特徴づけるこれらの遺伝子は、良い悪いではなく「個性」として受け入れる気持ちが大切だとアドバイスされています。どの子もそれぞれ個性という名の余白があり、そこを上手く伸ばしてあげることで才能が開花するのではないでしょうか。教育には環境が大切だと言われる場合の環境も、この個性の余白に合った環境提供があって初めて最大限の効果を発揮するのであって、特性も見ない内から焦って環境を追求しなくても間に合うということです。

 つい私たちは「あの人は才能が生まれつき違う」などと思ってしまいますが、高橋先生は「極上の遺伝子も劣悪な遺伝子もない」と伝えています。どんなに優れているように見えても、全ては人間という生物の遺伝子の誤差の範囲内に収まるのです。日本人の国民性かもしれませんが、全ての領域において平均が取れる必要はないのです。大切なのは、その子の個性という余白をいかに伸ばしてあげるかです。勉強が全てでもなければ、1位が取れなければダメだというオリンピアン的価値観から少し距離を置いて目の前の子どもと向き合っていく余裕が大切です。

 
2022年02月16日 16:02

[慶應義塾大学] 攻略の鍵はどこに

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[慶應義塾大学] 攻略の鍵はどこに

 今回は大学受験シリーズ第3弾目、慶應編となります。ここでは、総合選抜方式や共通テスト利用方式は除き、学科を使った一般入試での攻略を考えてみたいと思います。慶應の全体偏差値は60~72.5(スタサプ進路)、最高偏差値72.5の学部が医学部、総合政策学部、環境情報学部と3つ難関学部があります。慶應の大学入試の特徴といえば、小論文が課せられている点が挙げられます。一般的な「国語」がない代わりに、小論文が多くの学部に課せられています。

 MARCH以上の私立大学受験生であれば、慶應の過去問で演習してみたり、実際に併願して受験する生徒もいるかと思います。一方、MARCHや早稲田を受験しても、慶應には出願しなかった層も毎年数多くいると思います。その理由の一つが、先ほど挙げた小論文の存在と、「英語」の難しさです。MARCHと前後レベルの大学の英語の問題と、慶應の英語の問題では、文章量の多さに加え、出題される語句・文法レベルも一段階違う印象を受けます。つまり、「英語」だけに関していうと、他の選択科目と比べて特に得意であるか、英語だけは慶應に特化して過去問演習をクリアできなければ当日も厳しい結果が待っていると考えた方がよいでしょう。選択科目についても学部によって特徴が出ており、例えば経済学部の世界史ですと、出題範囲が1500年以降と規定されており、受験生によっては対策時に得意・不得意がはっきりすると思います。

 次に「小論文」をどう攻略するかですが、慶應の小論文は課題文や資料を読み取ってから論述する課題型です。課題文が長めになる年もあり、現代文が得意な受験生なら突破できるかと思いがちですが、解答が決まっている国語の現代文とはやはり難しさの質が異なります。私自身今でこそ小論文のコツや慶應独特の論述対策に明るくなりましたが、現役受験生のころは突破口を見出すのが難しかったです。そもそも、首都圏とは異なり、小論文に特化した塾や講座も少なく、対策は独自に行うしかありませんでした。ちなみに、現在では小論文に特化した塾や予備校の講座も豊富に存在します。小論文に出そうなテーマに関する知識は、現代文の学習を通してある程度マスターしていましたが、知識があることと「論述できる」ことはまた別のトレーニングが必要です。課題分と資料から論点を抽出し、それに対する批評と主張を構成できなければなりません。単純な要約練習や序論・本論・結論を当たり障りなく記述するだけでは、おそらく50%も取れないのではないでしょうか。これから大学に入って学ぶ者として、論点を自ら発見し、自分の考えを論理的に伝える作業に向き合える受験生を求めているメッセージであると捉えましょう。

 このように、慶應を攻略するには、圧倒的な英語力に加え、慶應の小論文に対応でき得る論述力が鍵となってきます。多少英語ができる、現代文が得意だという理由では太刀打ちできないでしょう。慶應受験を検討している生徒は、まず過去問を手に入れ、英語の文章量と小論文の出題形式からチェックしてみましょう。


慶應義塾大学HP:https://www.keio.ac.jp/ja/
 
2022年02月11日 17:55

【早稲田大学】社会科学部を推す理由

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【早稲田大学】社会科学部を推す理由

 入試シーズン真っ只中の2月中旬を迎えております。本日は早稲田大学の個別学部紹介をさせて頂きます。大学紹介は受験生以外の方もメディアなどを通して知る機会があるかと思いますが、学部紹介に至ってはよほど興味のある方しか触れる機会がないのではないでしょうか。そして早稲田大学13学部ある内の社会科学部はピンポイントで脚光を浴びることもないので、オフィシャルな説明に加えて、在学生や卒業生から声を拾ってその全体像を理解するのが一つの手段かと思います。

 文系学部の多くが集結する早稲田キャンパス(本キャン)14号館に本拠を構えるのが社会科学部です。偏差値は67,5(スタディサプリ進路)。ちなみにその他人気学部の政治経済学部は偏差値70、国際教養学部も70、法学部67,5、基礎理工学部65となっています。社会科学部の学科は社会科学科の1学科となるため、学部定員の450人がそのまま学科人数となる大所帯です。他の教育学部などが科目によって細かく十数人〜数十人に学科人数がまとまっている所と比べるとかなり大雑把にまとめられている感じがします。設置授業も3~4年生のゼミ、専門授業を除けばほとんどが大教室での授業で、これぞ「講義」といった印象を受けるかと思います。卒業生にはデーモン閣下(タレント、コメンテーター)、津田大介(ジャーナリスト、大学教員)、与沢翼(実業家、投資家)、平井伯昌(水泳指導者、北島康介の指導者)などがいます。卒業後メディアに出てから活躍された方がほとんどかと思いますが、社会科学部自体がメディア、マスコミといった業界に関心のある学生を集めている側面もあるかと思います。設置講義の中にも「メディア論」「ジャーナリズム論」といった講義がありました。

 数ある学部の中からこの社会科学部が選ばれる理由として考えられるのが、何がなんでも早稲田に入りたいという早大第一志望層が一定数いるということが挙げられます。13学部の中から、日程や試験科目で受けられる学部は全て受けるという戦略なら、社会科学部は外せません。実際、受験倍率も8~10倍と他学部に比べて高めの傾向です。記念受験が多いと言われる早稲田大学の中でも特に受験生が集まりやすいと言われています(ちなみに、私が受験した際の倍率は11倍でした)。試験科目は英語・国語・地歴or数学、配点バランスは英語がやや高めですが、一般的な私大受験生にとって挑戦しやすい試験科目となっています。入試日は2/22と遅く、早稲田大学の中でも後半に設けられており、最後の望みをかけて受験したという受験生も多いのではないでしょうか。合格発表は3/3で、国立大学受験生並みに結果発表が遅いため、春先まで生きた心地がしない受験生も多いかと思います。また、何が何でも早稲田大学に入りたい層が狙うと書きましたが、実際に社会科学部はそうした受験生に向いていると思います。他の法学部や文学部などの学ぶことが明確になっている学部に対して、社会科学部は入学後にある程度学びの幅があるからです。それはシラバスを見れば明らかで、様々な学問との学際性を重視していることから、他学部の講義を受講して単位に算入することも可能となっています。この仕組みのおかげで、興味のある外国史や文学といった国際教養、文学部寄りの講義を思う存分学ぶ事も可能です。学生の中には、法律系の講義を多く取り、早くから公務員試験対策に備えていたり、情報、メディア系の講義を優先的に取って、インターンや就職活動につなげている学生など、それぞれアレンジして単位取得している様に思います。

 このように、早稲田大学社会科学部は絶対に早稲田に入りたい層の受け皿として機能していると考えられ、実際に入学後もそうした学生に様々な選択肢を提供してくれる場所でもあります。法学部に入れなかったが、法律も学ばせてくれる。文化構想学部に入れなかったが、創作の技法を学ばせてくれる。そんな懐の深い学部が社会科学部です。首都圏の難関大学に狙いを定め、大学受験に夢をかける受験生にとってはこれからも魅力的な学部であってほしいと思います。

早稲田大学HP https://www.waseda.jp/top/

 
2022年02月10日 18:03

[上智大学] 攻略法を探る

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[上智大学] 攻略法を探る

 2月前半も早過ぎ去ろうとし、私立大学の受験日程も大詰めを迎えつつあります。今回は東京・四谷にある上智大学(通称・ソフィア)を取り上げてみたいと思います。現役の受験生からしてみれば、上智大学はMARCH、関関同立や早慶にはさまれ影が薄く、また、英語が難しいとの評判も相まって避けられがちな印象を受けます。しかし、きちんと練られた対策を取れば、意外に攻略しやすい大学でもあるのです。上智大学の偏差値はおおよそ偏差値60~70(模試・学部によって異なる)で、トップ層を目指す東大・京大受験生からしたらここまでは降りてこない。一方、MARCH受験生レベルであれば対策の仕方によっては合格を勝ち取れる狙い目にあります。

 上智大学では2021年度一般入試から方式が大幅変更され、共通テスト利用入試、TEAPなど民間試験スコアと学部試験の併用試験などが導入されました。そのため、従来では受験して来なかった国立大学上位校からの流入が見られますが、ここでは多くの私立大学と同じ学部試験の3科目受験にしぼって攻略法を考えます。上智大学は英語の配点が高く、地歴or理科、国語が一定割合というパターンが多いです。特に、英語はいわゆる超長文に加えて、大問数も他の私立大学と比べて多く設けられています。他方、地歴に関しては攻略可能な特徴があり、世界史でいえば隔年で出題される地図問題、芸術史、キリスト教史など、頻出分野を特定し攻略することが可能です。このように、英語は超長文に備えて速読や多読の訓練が一定時間以上必要ですが、地歴に関しては過去問を10年分ほど集めてその学部の出題履歴を確認することで効率的に対策を打つことが可能です。国語に関しては、問題に対する当たり外れもあり、国語の対策に割く時間を英語・地歴に回す戦略を推奨します。このように、まず英語力を上智の骨太な問題に対応できるよう読解力を高めること、そして地歴は全単元の実力を高いレベルで維持しながら、秋以降に過去問を集め出題履歴から想定される頻出単元を攻めるという計画で攻略することができます。

 最後に、上智大学をおすすめする理由は高校時代まで遡ります。高校当時の英語担当の先生が上智大学外国語学部出身で、英語教育に関して熱心かつ優秀で、帰国子女に負けないために英語漬けの日々を送ったというお話に感銘を受けたらからです。いつも最新の英語教授法について勉強し、辞書や問題集の選び方や文法上の疑問など何でも相談に乗って頂きました。また、英語に興味のある生徒に対して、語学であれば上智大学か東京外大が優れていると常々アドバイスしておられました。語学教育に関心のある方、英語が得意な方はぜひ志望校の一択として検討して頂きたい大学です。

上智大学HP  https://www.sophia.ac.jp
 
2022年02月09日 16:24

[共学化] 光英VERITAS

[共学化] 光英VERITAS

 光英VERITAS中学・高等学校でピント来ない方も、茨城県取手市と千葉県松戸市にある聖徳学園といえばご存じではないでしょうか。この中で松戸市にある聖徳大学附属女子中学校が2021年に共学化し、新しく光英VERITASとしてスタートを切りました。昨今の中学受験ブームの追い風もあり、2022年度入試でも志願者数を伸ばしています。現在は中学、高校どちらからでも入学することが可能で、特待生、準特待制度も整っています。この人気傾向はしばらく続くと思われますが、現段階では偏差値も50より下で狙えるコースもあり、今後の成長を期待すると注目の学校となりそうです。

 光英VEERITASの特徴として紹介したいのは、聖徳学園の伝統である「礼法」の授業が組み込まれている点です。室町時代の武家社会の質素な礼を重んじる小笠原流礼法を中高で学ことができ、正式な免状も付与されます。興味があれば上級免状も取得することができ、教養としてのみならず卒業後の進路選択の幅も広げています。また、ICT教育にも先んじて取り組んでおり、iPadの導入は7年前から始まっています。ロイロノート、クラッシーといった授業支援システムに加えて、高校生はスタディサプリ受講が可能となっています。修学旅行は中学生がオーストラリア、高校生がイギリスです。別途、希望者、選抜者向けの長期・短期ホームスティが設けられています。

 新体制となってからまだ2年目ですが、これから先で明らかとなる大学合格者数などの教育成果には大きく期待できます。茨城県からは常磐線沿線、つくばエクスプレス沿線でしたら通学圏内ですので、「和」を重んじる教育と先進的な取り組みに興味のある生徒にはおすすめの一校です。


光英VERITAS中学・高校公式HP https://www.veritas.ed.jp
2022年02月07日 15:15

【今頑張れないやつは一生頑張れない】

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【今頑張れないやつは一生頑張れない】

 今回は高校生におすすめの作品を紹介します。予備校講師吉野敬介先生の著書です。かなり強烈なタイトルになっていますが、これも吉野先生の言葉です。古文の先生なのですが、自身も一度社会人を経て這い上がって来た経験から、とても熱いメッセージを受験生に送り続けています。YouTube等でご覧になることもできますが、見た目も授業も相当にインパクトのある先生です。他にも吉野先生の作品が出版されていますが、10年ほど前に刊行されたこの作品が一番受験生に刺さる作品だと感じています。

 タイトルのメッセージを解釈すると、今日1日を頑張れたやつは明日も頑張れる、明日頑張れたら3日頑張れるという風に、今目の前の勉強・仕事をきちんとできればその先も続けて頑張れるということです。吉野先生自身も、その日にやるべき課題、仕事を終わらせるためには徹夜してでもやり抜く意志を貫いたと振り返っています。受験業界で代々木ゼミナールが一世風靡していたころ、講師採用を経てトップ講師へと昇り詰めていく過程も見所です。他の講師が遊び歩いている間、講義の準備に徹底的に時間をかけ、どこを強調するか、どこで雑談を入れるかまで徹底的に練習したそうです。

 受験生に対するアドバイスの中で印象的だった一幕があります。「早稲田の古文では何が出ますか」という質問に対し、「早稲田の古文なんてない。お前が勉強すべきなのは古文だ」と返答したことです。もし私だったら、最近は近世の作品も出題されるから、室町時代以降の作品も演習しといた方がいいよなどとペラペラと語ってしまいそうですが、吉野先生はプロとしてもっと本質的な視点からアドバイスしています。つまり、しっかり中身のある勉強をする前からどこどこ対策と騒ぐ前に、まずその科目の実力をつけなさい、楽をするなということです。入試でどこが出るかヤマを張るのは悪いことではありませんが、それはあくまで直前期にやることです。それを入試のかなり前から出そうな文章、作品だけを探して近道をしようとすると基礎ができていない分、足元をすくわれてしまうでしょう。

 高校生向けにと紹介して来ましたが、中学生にも十分伝わる内容ではないかと思います。今の頑張りをおろそかにしないこと、勉強の本質を見誤らないことを吉野先生の強いメッセージから受け取って頂けたらと思います。
2022年02月04日 03:22

【二月の勝者】中学受験は特急券

【二月の勝者】中学受験は特急券

 前回に引き続き、中学受験を描いたマンガ「二月の勝者」から印象的な場面を取り上げてみたいと思います。作中で、主人公の新米塾講師が業界大手のベテラン講師に「必ずしも受験が必要なのか」、「生徒の希望を無視してまで難関校を受験させる意味はあるのか」と問いかけます。主人公の思いは、時に読者の多くの意見を代弁していると感じることがあり、この場面でも受験業界に対するストレートな疑問を投げかけています。これに対するライバル校のベテラン講師の回答は「中学受験は特急券です」という比喩を使ったものでした。

 中学受験は特急券ー。とても上手くたとえていると思います。無駄なく早く将来の進路へ運んでくれるチケットが中学受験であるということです。さらにベテラン講師は続けて、なぜ難関校の受験を押し付けるのかについても回答しています。高偏差値の学校を薦める理由は、「大は小をかねる」からだと答えています。すなわち、少しでも高いレベルの学校に進学し、その先の有名大学に進学することで、職業選択の幅が広がるといいます。やりたい事や部活で突き抜けたい場合も、私立や難関校の方が環境が整っていると語ります。生徒の夢が何であれ、将来の選択肢を広げる可能性が高いのが難関校であるという結論です。こちらも見事に塾業界の切な想いを代弁していると思います。目の前の受験勉強が辛くても、その数年・数ヶ月を乗り切った先には無限の選択肢が広がっている。そのような説明を、生徒にもわかりやすく伝えてあげる必要があるでしょう。

 一方で、特急券を買わなかったらどうなるのか。小学校や中学校を受験せず、公立校ベースで進学をしていく場合です。特急ではない分、途中下車や乗り換えが必然的に起こり得ます。部活動にのめり込んでみたり、友人との遊びに没頭してしまったりという乗り降りが発生します。また、高校受験、大学受験とその都度大きなターミナル駅での進路選択が降り掛かってきます。こうしたイベントの起伏は、特急列車と比べてとても大きい存在です。しかし、こうした経験の波は、生徒をよりたくましく育て、自分で決断していく強さを身に付けさせてくれます。特に、高校受験と大学受験は、人生で一番勉強したと振り返る人が多数いるように、もっとも学力と知的好奇心を高めてくれるイベントです。ここでの必死の頑張りは、中学受験とはまた違った様相を呈しています。「二月の勝者」の作中では特急券の世界観でストーリーが進むため、これがベストだと判断してしまいがちです。しかし、上記で見た通り、特急以外にも駅に着く方法はある、普通列車で旅する選択肢もあるという点は忘れてはならないでしょう。
 
2022年02月03日 16:42

[二月の勝者] エンタメ×塾の日常

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[二月の勝者] エンタメ×業界リアリティ

 2月に入り中学、高校、大学とそれぞれの受験日程のピークを迎えました。その中でも、コロナ禍に関わらず首都圏受験者数5万人を超える中学受験についておすすめのマンガを紹介します。高瀬志帆さん作の「二月の勝者」です。昨年秋にドラマ化もされているので、俳優キャスティングも楽しみながら観たい方はドラマ版もおすすめします。あくまでもエンターテイメントの作品なので、誇張されていると感じる部分もありますが、受験指導の場面や、講師の日常風景などはけっこうあるあるの描写がされており、私も思わず観入ってしまいました。

 大まかな内容としては、都内中学受験塾の中堅校舎に就職した主人公の新米講師と、中学受験塾最高実績を保持する大手塾から主人公の中堅校舎へ転職してきた伝説の講師の視点を交えながら進んでいきます。その間、個性的な受験生とその保護者たち、ライバル校の講師などが登場することでストーリーに起伏を持たせています。特に、生徒の行動描写はリアルで、志望校選びを友達の雰囲気に流されてしまったり、怒られないためにカンニングをしてしまったりと、実際の教育現場でも起こりがちな出来事です。また、主人公を含めた講師陣の描写もよく描かれているなと感じました。深夜のファミレスで過去問を解いていたり、食生活が乱れていたり、あるあると感じ入ってしまいました。この作品が素晴らしいと思う点は、実際の受験でも生きるアドバイスや指導法がきちんと描かれている点です。たとえば、偏差値の話。偏差値50=平均だよねと、一般の方は理解していると思います。しかし、中学受験でいう偏差値50は高校受験や大学受験の偏差値50とは意味合いが違うと作中の会話で出てきます。中学入試を受ける母体数の小学生は全小学生の中の上位20%で、その上位20%の中の平均というのは、ほぼ全員が受験する高校入試や大学入試の平均と比べて相当難しいという指摘です。初めて首都圏模試や全小統一テストなどを受験されて、偏差値50に届かなかったり、学校ではトップクラスなのに偏差値60を取れなくてがっかりする生徒がいますが、対策なしの初めての模試での偏差値50前後は上出来なのです。逆に、初めての模試で偏差値55以上であれば、地域の難関校を受験する下地ができていると評価できます。

 以上、2月の勝者の大まかな説明と面白い点を紹介しましたが、改めてエンターテイメント要素と塾のリアリティーを感じる内容で、保護者の方にも塾講師の方にもおすすめします。
2022年02月02日 16:18
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