【今頑張れないやつは一生頑張れない】
今回は高校生におすすめの作品を紹介します。予備校講師吉野敬介先生の著書です。かなり強烈なタイトルになっていますが、これも吉野先生の言葉です。古文の先生なのですが、自身も一度社会人を経て這い上がって来た経験から、とても熱いメッセージを受験生に送り続けています。YouTube等でご覧になることもできますが、見た目も授業も相当にインパクトのある先生です。他にも吉野先生の作品が出版されていますが、10年ほど前に刊行されたこの作品が一番受験生に刺さる作品だと感じています。
タイトルのメッセージを解釈すると、今日1日を頑張れたやつは明日も頑張れる、明日頑張れたら3日頑張れるという風に、今目の前の勉強・仕事をきちんとできればその先も続けて頑張れるということです。吉野先生自身も、その日にやるべき課題、仕事を終わらせるためには徹夜してでもやり抜く意志を貫いたと振り返っています。受験業界で代々木ゼミナールが一世風靡していたころ、講師採用を経てトップ講師へと昇り詰めていく過程も見所です。他の講師が遊び歩いている間、講義の準備に徹底的に時間をかけ、どこを強調するか、どこで雑談を入れるかまで徹底的に練習したそうです。
受験生に対するアドバイスの中で印象的だった一幕があります。「早稲田の古文では何が出ますか」という質問に対し、「早稲田の古文なんてない。お前が勉強すべきなのは古文だ」と返答したことです。もし私だったら、最近は近世の作品も出題されるから、室町時代以降の作品も演習しといた方がいいよなどとペラペラと語ってしまいそうですが、吉野先生はプロとしてもっと本質的な視点からアドバイスしています。つまり、しっかり中身のある勉強をする前からどこどこ対策と騒ぐ前に、まずその科目の実力をつけなさい、楽をするなということです。入試でどこが出るかヤマを張るのは悪いことではありませんが、それはあくまで直前期にやることです。それを入試のかなり前から出そうな文章、作品だけを探して近道をしようとすると基礎ができていない分、足元をすくわれてしまうでしょう。
高校生向けにと紹介して来ましたが、中学生にも十分伝わる内容ではないかと思います。今の頑張りをおろそかにしないこと、勉強の本質を見誤らないことを吉野先生の強いメッセージから受け取って頂けたらと思います。
2022年02月04日 03:22