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☆研究学園校ブログ☆

[中高一貫校] 中学受験

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[中高一貫校] 中学受験

 今回は中学受験の舞台裏を追いかけた「中学受験」(横田増生著)をご紹介します。一般的な受験情報誌や記事が中学受験のメリット面ばかりを報道しているのに対し、本作では中学受験をする上での経済面、私立学校の経営面、合格・不合格者の声をバランス良く拾っています。初版が2013年ということで、情報の鮮度としてはやや劣りますが、中学受験の本質的側面は上手く捉えている作品となっています。

 中学受験といえば私立中学ばかりを思い浮かべがちですが、本作では台頭してきた公立中高一貫校もクローズアップしており、都立最初の中高一貫校である白鴎高校附属中学校を取り上げています。白鴎高校附属中の第一期卒業生は、東大5名、一橋大2名、早慶上智66名など、公立中高一貫校のポテンシャルの高さを教育業界に見せつけました(白鴎サプライズ、白鴎ショック)。白鴎附属中はその後も東大合格者を輩出しており、偏差値は60前後となっています。もちろん公立中高一貫校は倍率が高くなりがちですが、大学合格実績という出口の伸びを見る限り、中学受験のコストパフォーマンスは私立中学より高い場合が多々あります。ここ茨城県でも公立中高一貫校の新設が相次いでおり、水戸一高附属、土浦一高附属、並木中等に関していえば入学から卒業後のコストパフォーマンスとしては私立を上回っていると思います(並木中等2021年度東大9名、京大5名、東北大10名、筑波大25名)。

 また、塾業界の奮闘と私立中学校との共存共栄関係も垣間見る事ができます。塾講師を学校内の演習講座に招いている学校や、指導ノウハウを伝達・連携しながら大学進学実績を支えている学校など様々です。塾・予備校不要を掲げる学校は、こうした手厚い教科指導に少なからず外部講師の力やICT学習を取り入れています。逆に、受験指導は特段に行わないという姿勢の中高一貫校に通った場合、大学受験に備えては半数以上の生徒が塾や予備校に通っている現実も見えてきます。

 本作品が刊行されてから10年近い年月が経っていますが、大方中学受験の本質に変化は起こっていないように思います。当時との違いでいえば、公立中高一貫校の実力がある程度認知されてきたことと、中学入試の科目や制度が一層細分化し、受験者数自体は増加傾向にあるという事です。今後も英語入試やプログラミング入試などが増加するのは明らかですので、教育業界の流れと受験する際の勝負科目などを余裕を持って検討する必要がありそうです。
2022年04月19日 17:43

[中学受験] それぞれの受験理由

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[中学受験] それぞれの受験理由

 今回は受験を通して変化していく子どもや家族の成長を描いた「金の角持つ子どもたち」(藤岡陽子著)をご紹介します。小学6年生から急に都内の難関中学を受験したいと宣言する主人公。塾通い、学校生活、家族の勤務形態など、受験を通して家族の思いや環境が変化していきます。都内の大手塾と思われる塾も登場し、難関校の受験生の生活がどの様なものなのかを垣間見る事ができます。

 学校と塾での友人との出会いを通し、子どもたちのそれぞれの受験理由が描かれています。家族や兄弟姉妹が通っているからという外的な要因もあれば、本人の強い目的意識による受験もあります。主人公の場合も内に秘めた想いから受験を決意します。一方で、受験とは周囲の情報や反応、意見、信条に少なからず影響を受けることも本編から分かります。主人公自身も、両親の会話や、学校の先生、塾内のトップレベル層を目の当たりにし、何度も心が揺れます。そんな中、主人公が通う塾の先生は生徒たちの気持ちのブレや伸び悩みをよく観察しており、主人公にも適確なアドバイスをしていきます。本編の趣旨とは少しずれますが、受験生とも家庭とも距離を取れる塾だからこその役割というものが読み取れ、何度もうなずく場面がありました。講師の役割は生徒を応援するのではなく「一緒に戦う」ことだという場面は特に好きです。

 高校受験や大学受験とは異なり、中学受験をするそれぞれの理由は家庭の方針や環境、友人の影響といった本質的でない所に動機があることも確かです。一方で、主人公の様に「自分の人生を変えるため」という熱い想いから挑戦するのであれば、その受験は合否以上に大切なものを子どもに教えることさえできるのです。新学期は何かを始めたり、決定したりする機会が多くなります。もし勉強や受験という環境に飛び込むのであれば、その決断は将来的にプラスとなって返って来ることでしょう。私たちベターアップも4月からのスタートを一緒に戦いたいと思います。
2022年04月10日 11:08

[医学部] 普通の環境から環境から目指すには

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[医学部] 普通の環境から目指すには

 冬から春先にかけて、新聞や広告チラシでは塾の広告が増加してきます。年間を通してCMや広告を出している大手塾のみならず、中規模塾や首都圏の珍しいタイプの塾も広告を打ち出してくれるのがこの冬から春にかけての募集シーズンです。数は少ないですが、医学部専門予備校も広告を出しており、やはり普通の塾とは料金体系もカリキュラム構成も毛色が違うなといつも新鮮な気持ちで読んでいます。

 一方で、そうした医学部専門予備校に高校在籍中から、あるいは浪人生として本科コースに通えるのは教育資金が潤沢にあるご家庭か、一度社会人を経て資金を貯めて来た学生に限られるのではないかと思っています。医学部に精通した専任講師による対面指導に加え、場合によっては寮を契約することもあるでしょう。直前期ともなれば、小論文や面接対策、志望校別対策講座も設定されます。これらを全て受講した場合、生活費も考慮すると年間を通して数百万円は必要となってきます。既に親族の中に医学系の方がいたり、高校生になる前から医学部を明確に目指しているご家庭を除いて、受験をする段階でここまで費用負担できるのは普通の家庭では少数ではないでしょうか。

 では、ごく一般的な家庭から医学部を目指したい場合どうするか。考えられる方針は2つあります。1つは、医学部コースや難関国公立・医系進学クラス編成のある地域のトップ校に入学するという方法です。茨城県内でいえば、江戸川学園取手や土浦日大といった私立校、県立高校では水戸一校や土浦一高、並木中等などに合格すれば難関、医系に特化した授業を受ける事が可能です。加えて、資金に余裕がある場合は地域の医学系を指導できる塾、あるいは東進ハイスクールの様な難関校受験のコンテンツを提供できる映像塾を活用したいです。指導者や学生スタッフの中に現役の医学部生や指導実績のある講師がいればなお良いでしょう。

 もう一つの方法は、主に地域のトップ校に入れなかった場合のケースです。こうした場合、学校の授業を受けているだけでは医学部合格の実力を養成することは難しいと思われます。最初のケースと同様、まずは地域の医学系を指導できる塾、予備校を活用する事が得策です。学校では提供されることのない医学部に特化した情報や指導を得られるということから、何らかの形で塾や予備校の力を借りると良いでしょう。もっとも、近年はスタサプに代表される優良なオンライン授業というものが存在します。自分で生活を律しながら学習できるのであれば、そうしたオンラインコンテンツをベースに、演習と対策を組むことがきちんとできれば可能性は見えてきます。

 以上見てきたように、首都圏で展開される様な医学部特化型予備校を活用しない場合、地域のトップ校に入学するか、普通の塾・予備校とオンラインコンテンツをフル活用する方法が考えられます。いずれにしろ、医学部を目指す場合はプロの助言や指導の手を借り、なぜ医学の道を目指したいかを深く自問する姿勢が必要です。医学部受験においては面接やグループディスカッションで不合格となることも起こり得ます。受験勉強をすることに加え、医学を目指す心からの動機を自分の言葉で伝える必要があるのです。
2022年03月31日 08:08

[参考書] 忍耐力を持って取り組む

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 News Picksの公開動画の中で学習に関する回があり、学習の専門家たちが討論していました。その学習の専門家の中に予備校講師の吉野敬介先生が混じっており、思わず試聴してしまいました。予備校での指導経験の中から効率的な学習とは何かを伝えておりましたが、やはり吉野節は健在で、話に引き込む力は他のコメンテーターとは一味違うなあと思いながら見ておりました。

 記憶の定着に関するテーマの流れから、「できない生徒に限って参考書をたくさん持っている」と吉野先生は語ります。少し解き進めた段階で飽きてしまい、そのタイミングでまた新しい参考書を手にしては同じことの繰り返し。勉強しようという意欲は素晴らしいですが、努力を向ける方向性がズレてしまっている生徒がたくさんいるとのことです。例えば、世界史や日本史といった科目で論述対策の問題集は一冊で十分なはずです。それにも関わらず、不安からか一冊をやり通すのではなく、別の出版社の論述問題集を買って、結果どちらも歴史の前半の章までしか終わらなかったという事態が起こりがちです。友だちやネットの評判などによっていろいろな参考書に目移りすることもあるかもしれません。しかし、大切なのは参考書を完全に活用し理解し、演習量を確保することです。吉野先生曰く、「忍耐力を持って取り組む」です。一冊を完璧に活用し切って、なおかつ次のレベルへステップアップする必要性があるときのみ、別の参考書へと移るのがよいのではないでしょうか。

 家庭学習においても同じことは言えます。まずは学校・塾で使用しているワーク・テキストを十分に消化すること。その上で補足が必要な場合には、単元や目的を絞った市販の参考書を検討するのがよいかと思います。学校・塾と同レベルの参考書を同時並行に行っても、それぞれの理解・習得が分散してしまうだけです。まずは目の前のテキストを忍耐力を持って使いこなすことから始めましょう。
2022年03月23日 18:04

[みどりの学園義務教育学校] コスパ最高の公立校

[みどりの学園義務教育学校] コスパ最高の公立校

 
つくば市立みどりの学園義務教育学校は茨城県つくば市に2018年に開校した9年間の小中一貫校で、全校生徒は1600人。公立校ながら英語教育やICT教育に注力しており、県内外の教育関係機関から注目されています。低学年の内からiPadや大型ディスプレイを使った共同学習、プレゼンテーションに取り組んでおり、私立学校と見間違えるほどの先進的な学習スタイルを取っています。学校の立地もつくばエクスプレス「みどりの駅」から徒歩数分という好立地にあります。公立校にして充実した学習環境を享受できることから、茨城県内の公立学校として、教育の費用対効果はかなり高いと思います。

 みどりの学園義務教育学校は学校として社会に変革をもたらせる「チェンジメーカー」となる生徒の育成に努めています。その方針の下、9学年全てにおいてICT活用授業、探求型学習、プレゼンテーションなどを取り入れています。もちろんプログラミングも2018年の開校以来取り組んでおり、「スクラッチ」などの視覚的プログラミングによりロボットを操作したり、「マインクラフト」を通して未来の環境都市を創造する学習も手がけています。また、図書館は英語の絵本などが豊富に用意されており、開放的な設計を取り入れています。私たちの抱いている学校の図書館というイメージと違い、だいぶ開放的で明るい印象となっています。ここなら読書や調べ学習もはかどると思わせてくれます。その様にして調べたり、考えた学習成果を発表するプレゼンテーションのスキルも身につける事ができます。実際に、校舎の教育風景を文部科学大臣も視察に来ており、生徒たちはその場で臆せずプレゼンテーションを披露しています。電子黒板を用いての生徒の意見紹介や、タブレット端末を持つ生徒が発表する様子は、世界の先進国では珍しくありません。日本の公立校において、ようやくここまで追いついたかという感想を持ちました。多様な学びのスタイルは生徒の興味に火をつけるきっかけとなります。学校の勉強がヒントとなって自分から没頭できる分野を見つける事ができたら、学校や保護者としてこれ以上の喜びはありません。

 以上見てきた様に、今回は公立校ながら最先端の教育環境を用意しているみどりの学園義務教育学校を紹介しました。一連の取り組み事例を見て、ようやくグローバルスタンダードな教育風景が身近なものになってきたなと感じました。先進的な教育というとつい私立学校に目が行きがちですが、自治体や学校として優れた教育環境を整備している事例は他にもあるはずです。ICT分野やSTEAM教育で優れた取り組み事例を今後もご紹介していきたいと思います。
 
みどりの学園義務教育学校HP: https://www.tsukuba.ed.jp/~midorino/
2022年03月16日 15:03

[国際教養大学]秋田県の最強公立大学

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[国際教養大学]秋田県の最強公立大学

 秋田県秋田市にある国際教養大学(通称AIU)をご存知でしょうか。海外のキャンパスを想起させる広大なキャンパスに、国際教養学部・国際教養学科のみの単科大学として存在します。主な特徴は、全寮制で授業は全て英語、1年間の留学が義務付けられている点です。公立大学ということもあり年間の学費は70万円前後(寮費・留学中の生活費除く。2022年度)と、私立大学に比べても教育へのコストパフォーマンスはかなり高いと思います。語学教育に留まらずグローバル人材としての教養を身に着けられる大学として高い評価を得ています。2004年の設立以来、学生からの人気も上昇中で、現在の偏差値は67.5~70(スタサプ進路)と立派な難関大学となっています。共通テストと個別試験の英語併用型、英語と国語受験、英語と小論文受験という入試方式が用意されており、英語と共に国語力を入学時に重視していることが分かります。

 英語を話せるようになりたい学生はもちろん、本当の意味でのグローバル人材として活躍したい学生にはお勧めの大学です。多くの授業が1クラス20名以下で、ディスカッション、プレゼン、レポートといった課題からいい意味で逃げることができません。キャンパスの4人に1人は海外からの留学生です。また、グローバル人材として活躍するために日本人としての確たるアイデンティティを重んじていることから、日本史に関する講義、日本文化に関する授業が充実している点もAIUの特徴です。何語を話せるかより、何を話せるかということを重視しています。日常会話を流暢に英語で話せることはAIUにとって最終目標ではないのです。こうした骨太のキャンパスライフを支えるのは教職員の他に、施設面からの貢献もあります。「中嶋記念図書館」は365日24時間利用可能で、秋田杉を用いた独特の傘型円形図書館はまさに知のコロッセウムです。一般入場も可能なので、一度は訪れてみたい図書館の一つです。

 秋田県という恵まれた広大な立地で国際教養を学び、世界に通用する学生を育成する、まさに最強公立大学です。単に英語が話せるではなく、英語でビジネス、社会に価値提供したいと考えている受験生にはお勧めの大学です。


国際教養大学HP:https://web.aiu.ac.jp
2022年02月24日 17:03

【土浦一高】Noblesse Oblige

【土浦一高】Noblesse Oblige

 前回茨城県内最高難度の水戸一高を紹介しましたが、水戸一と双璧を成すのが県南地区にある土浦一高(附属中あり)です。令和4年度の志願倍率こそ1.19倍と、水戸一高の1.82倍よりは低いですが、偏差値72と間違いなく県内難関校です。合格実績でも水戸一高と競っており、令和3年度の東大合格者数は22名(水戸一23名)、筑波大36名(水戸一23名)、東北大21名(水戸一38名)と、好敵手の位置付けにあります。水戸と土浦は地理的に離れている事情があり、受験生がこの2校を天秤にかけて検討することはほぼありません。県北に近いトップ層の生徒は水戸一高を、県南に近いトップ層の生徒は土浦一高を目指すというイメージです。どちらに入学しても、校内で上位にいれば東大をはじめとした難関大、医学部に合格できる可能性が高くあります。

 土浦一高は教育理念の「Nobless Oblige」の下、高い知性と豊かな人間性を涵養することを目指し、授業のみならず、学校行事や部活動、探究型学習への取り組みが盛んです。自立型探究学習のフィールドワーク、プレゼンテーション発表などのテーマを見ても、SNSと若者、SDGs、ジェンダー論など、さながら私立学校のような活発な活動を見せています。同じことは進路指導にも通じていて、「授業第一主義」を掲げ、一つひとつの授業を大切にしています。実際、同校の定期テストには東大をはじめとする難関大の問題が出題されることから、学校の授業をきちんとこなすことがすなわち大学受験対策につながっています。もちろん、同校の在籍生も予備校や塾に通っている生徒もいますが、塾なしで校内の課外活動をフル活用して大学受験に挑む生徒もいます。高校2年次からは医学系コースを設けており、二次試験対策はもちろん、医学部特有の小論文・面接対策も校内で実施します。また、水戸一高と同様、東大研究会(他難関大含む)が設けられていることから、予備校並みのハイレベルな課外授業が展開されています。受験勉強を生徒任せにしない、「授業第一主義」を掲げる同校ならではの手厚い進学サポートと言えるでしょう。
 
 同校の高い進学実績は校内の「Nobless Oblige」の伝統と、教職員の努力による課外講座によって支えられています。茨城県南から全国トップ大学を目指す志がある受験生には、ぜひ目指して頂きたい学校の一つです。

土浦一高HP:https://www.tsuchiura1-h.ibk.ed.jp
2022年02月23日 01:51

【水戸一高】県下最強の「学問第一」高校

【水戸一高】県下最強の「学問第一」高校

 令和4年度の県立高校の最終志願状況が公表され、茨城県内では水戸一高が普通科の中では最高倍率の1.82倍となりました。先月実施された県立中学入試でも、水戸一高附属中は4.91倍と県内で最も人気の学校であることが分かります。学校として「学問第一」を掲げている通り、水戸一高の偏差値は71~73となっています。県内のトップ層が集まる同校の魅力はどこにあるのでしょうか。

 水戸一高は公立の普通科高校ですので、入学時において特進クラスや医学科クラスといった枠はありません。しかし、入学後の手厚い進学サポートを見ると、その高い大学合格実績にも納得できる取り組みが行われています。同校の令和3年度の東大合格者数は23名、東北大学38名(医学部1名)、筑波大23名(医学部5名)、慶應15名(医学部2名)となっており、その他の実績も含めると難関国公立大学と医学部に強みを発揮していることが分かります。これらの実績を支える取り組みの一つとして挙げられるのが、外部講演者や大学教授を招いた医学部セミナーや東大研究会といったトップ校を目指すためのオリジナル講座です。同校OB・OGの医師や大学生を招くことができる校友人脈が、これから受験を目指す在校生の指針となることは明らかです。また、医学部専門予備校の講師を招いての医学部セミナーや教科研究会も、公立校としては手厚い進学サポートであると言えます。専門家による情報提供と難関大受験に耐えうる教科指導力の高さが同校の伝統となっています。こうしたトップ層向けのオリジナル講座が充実しているおかげで、茨城県内にいながらにして首都圏の中高に劣らない情報量と受験対策が可能となっています。

 昨年から附属中からの入学が可能となった流れもあり、同校の人気はしばらく高止まりすることと思われます。県立中学入試で不本意な結果を受けた受験生も、そのポテンシャルを捨てずに学習を続ければ、高校入試でも水戸一高にリベンジすることは可能です。東大や医学の道を目指す志の高い生徒にとって、水戸一高はこれからも魅力を持つ県内トップ校であり続けるでしょう。
 
水戸一高HP:https://www.mito1-h.ibk.ed.jp
2022年02月22日 19:29

【北鎌倉女子学園】Apple認定Distinguished School

【北鎌倉女子学園】Apple認定Distinguished School 

 古都鎌倉の山の上にある北鎌倉女子学園(通称キタカマ)をご存じでしょうか。朝は「ごきげんよう」の挨拶から始まる、のびやかな自立した女性を育てることを理念に掲げる中高一貫校です(高校からの入学も可能)。中高それぞれ普通科と音楽科があります。知性と共に品性を重んじる校風は女子校らしく、一方で国内屈指のICT導入教育を行うことで、グローバル化する世界で活躍できる生徒を育てています。中学偏差値は40~42(首都圏模試)、高校偏差値は47~57となっています。中学入試には通常の4科目入試の他、算数入試、英語プレゼン入試といった独特な入試方式もあります。学校の教科書レベルを十分に理解し、過去問で演習対策を行うことで合格ラインを目指せます。

 北鎌倉の落ち着いた周辺環境と女子校という伝統を活かし、鎌倉市と連携した文化活動や、行事、語学教育に力を入れています。バリバリの受験勉強漬けではない点がキタカマの良さでもあります。また、Apple社認定の学習環境、革新的な指導も売りで、全館Wi-Fi完備、電子黒板、iPadは一人一台、生徒用PCはMacBook Airという充実ぶりです。先進的なICT教育は授業の質も上げており、iPadを活用することで動画、描画、作曲、プレゼンテーションの幅が広がり、それぞれの探究学習につなげています。その成果は総合探究(KGプロジェクト)と呼ばれるプロジェクト学習に表れており、各自の興味に基づいて芸術、農業、国際、サービス等でのフィールドワーク、研究を通して将来の職業観ににつながる学びを展開しています。このような生徒個人の特性や趣向に沿った学びはアダプティブ・ラーニングと呼ばれ、これからの社会を生き抜く上で自分が何が好きで、何を目指したいのかを発見する手助けとなります。キタカマの国内屈指のICT教育環境が、まさにアダプティブ・ラーニングを支えているといえます。

 今回はICT先進教育の実践校として紹介しましたが、それ以外にもキタカマの良さはあります。教室は予備校を思わせるほどきれいな机と椅子が設置され、音楽科を擁することから音楽教室、練習室、個人指導室が充実しています。北鎌倉の四季あふれる静かな環境で学べることは精神面にもプラスの影響を与えるでしょう。自分の興味をじっくりと発見、探究したい生徒、充実したICT環境で学びたい生徒にはお勧めの学校です。


北鎌倉女子学園HP:https://www.kitakama.ac.jp
2022年02月21日 15:23

【2022年度茨城県立中学校】適性検査講評

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【2022年度茨城県立中学校】
 適性検査講評


 2022年度の茨城県立中学校適性検査は、昨年度の記述採点のミスの反省を踏まえ、記号問題が大幅に増加しました。適性検査対策として記述対策を重点的に行なっていた塾も多かったと予測できるので、この記号問題の多さに面食らった受験生もいたことでしょう。もっとも、難問と分類されるような設問はなかった印象なので、形式が異なったとはいえ、通常の受験勉強をきちんと行なっていれば高得点が可能な内容だったのではないでしょうか。人気校の倍率は水戸一高付属中が4.91倍、水海道一高付属中が3.78倍、並木中等が3.67倍、土浦一高付属が3.21倍となっています。

 適性検査Iは例年通り算数的分野と理科的分野から各2大問ずつの構成となっています。算数分野では図形と角度の標準的な問題、組み合わせ・規則の標準的な問題の出題となっており、図示や書き出しながら考えることで解答を導くことが可能となっており、見積りと計算速度がトレーニングされていれば時間内に完答可能な内容でした。理科分野では生物の観察、食物連鎖、振り子の運動とメトロノームの応用問題が出題されました。生物の観察からは、教科書や資料をきちんと読んでいれば正答可能な内容で、写真などをきちんと見ている生徒には容易だったでしょう。振り子の運動とメトロノームの問題では、図とグラフからヒントを読み取ることも可能で、対策していれば早く正答することが可能ですが、予想できなくても当日読み解くことが可能な内容でした。

 適性検査Ⅱは大幅に記号問題が増え、正確な読み取りと読解スピードが求められる内容となっています。出題された記述問題の分量も20字~30字程度で、80字以上の記述対策に時間を割いていた関係者は拍子抜けしたかもしれません。社会分野からは地図記号の読み取り、複数のグラフ・表の読み取りが出題されており、難易度は例年より易し目となっています。歴史・公民の用語を書かせる出題はなく、公立校受験生に不利とならない様な配慮を感じます。

 今回の適性検査は適性Ⅱで記号問題が増加したことにより、合格基準ラインも上がっています。合格ラインが高いということは、イージーミスが致命傷につながるという事でもあり、日頃から簡単なミスをしない丁寧な学習が必要でしょう。また、私立中学受験生に有利に働かない様な問題を作成していることから、公立校のみの受験生も標準的な演習と過去問を繰り返す事で合格を勝ち取れるものであると考えられます。難関中学と併願する生徒はもちろん、公立校にしぼって受験する生徒双方にチャンスのある入試であることに変わりはありません。出題形式に惑わされない、盤石な学習が合格を引き寄せます。来年度の受験を目指す新小学6年生にも、前向きなエールを送りたいと思います。
2022年02月19日 14:05
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