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☆研究学園校ブログ☆

[超習慣力] 強い意志はやっぱり不要だった

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[超習慣力] 強い意志はやっぱり不要だった

 
今回は習慣とは何か、そして習慣はどう作られるかについての良書「超習慣力」(ウェンディ・ウッド著)をご紹介します。受験勉強から普段の学習にまで活かせる内容が多く、ゴールデンウィーク期間に一気読みしてしまいました。

 本書では習慣の事を「状況がもたらす合図とその状況から生まれる報酬のための行動の繰り返し」と定義づけています。歯磨きを例に取ると、起床時や就寝時が歯ブラシを取る合図となります。そして歯を磨くと口内が清潔に保たれるという報酬があります。この一連の行動を小さい頃から何度も繰り返しているから多くの人の習慣となっているわけです。ところで、今挙げた歯磨きや普段行っている日常のルーティーンに、強い意志や目標設定などが必要だったでしょうか。何となく続いている、そうするのが自然な流れだからやっているというのが実際のところではないでしょうか。本書ではダイエットや筋トレ、食習慣といった誰もが習慣化を目指す代表例から、意志の力や行動力に頼らない方法を探っています。

 とりわけ重要だと感じたのが「状況設定」です。習慣化しやすい環境を作ることとも言い換えられます。ランニングを例に取ると、上手く習慣化されているランナーは走りに出かけるまでの摩擦が少ないという特徴があります。シューズやウェアが用意されている、走るコースが決まっている、走る時間帯が決まっているなどの状況が設定されており、仕事終わりや食後のタイミングが合図となって気づいたら走り出しているというのが習慣化されているランナーです。一方で、ジムの会費まで払ったのにランニングが続かないという場合、お金を払ったというだけでは状況設定が曖昧で、繰り返し走る合図が形成されていないということになります。

 上記で定義づけられた習慣の力は、あらゆる分野に応用が効きます。受験勉強で考えても、一見強い意志と行動目標が全ての様に思われますが、まず整えるべきは状況設定です。塾・予備校という場所を勉強の合図として使う、塾に通わないのであれば特定の時間は机の上でテキストを広げている状況を作ることから始めるのです。このとき、状況設定を妨げるスマホ、ネット動画、ゲームという存在は「摩擦」となり、習慣化を妨げます。摩擦を取り去るのにも意志や目標は必要ありません。摩擦は無いに越したことはありませんから、勉強をし始めるタイミングで手元にない、視界に入らない、触れていない状況を作りさえすればよいのです。勉強ができる子は意志力が強いに違いないと想像しがちですが、正しくは勉強ができる子は「勉強する状況設定(環境)の中にいる」ということになります。こうした勉強の合図が入りやすい環境を普段の生活にいかに組み込むかが、少なくとも義務教育段階の子どもたちには重要なターニングポイントとなります。学校や家庭内で「状況設定」が難しい時のために、塾や予備校が存在していると言っても過言ではありません。自らの責任で時間管理や行動管理ができる様になる年齢までは、先手を打って習慣化の仕掛けを生活に取り入れる必要があります。
 
2022年05月06日 15:33

[英語学習] 同時通訳者

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[英語学習] 同時通訳者

 
日本には英語学習の教材や方法論が数多くありますが、語学を極めた同時通訳者はどの様に英語を学習したのか。そしてどのようなモチベーションを持って英語学習を続けたのか。「不登校の女子高生が日本トップクラスの同時通訳者になれた理由」(著・田中慶子)には英語を学ぶ日本人に対する温かいメッセージが込められています。

 日本の学校生活に馴染めず、不登校、フリーターを経て半ば逃げる様にしてアメリカへホームステイ留学した田中氏。当初とくに得意ではなかった英語に囲まれた生活、膨大な量の大学からのレポート課題にも必死に喰らいついて卒業をします。膨大な量の英文を読みこなすために工夫した速読法が、各段落の冒頭と最終結論をメインに読解するという方法でした。これはパラグラフリーディングと呼ばれる読解手法の一つで、塾や予備校でもしばしば指導されるスキルです。これを留学中に自然と身につけたということです。華やかな印象のアメリカとは少し違った留学生活だった様ですが、ここでの語学の自信を元に、日本へ帰国後はいくつかの外資系会社、NPO法人勤務を経て同時通訳者のポジションを得るに至りました。

 留学先のアメリカ最古の名門女子大マウント・ホリョーク(1837年創立・Mount Holyoke College)で、創設者のGo where no one else will go. Do what no one else will do.(他の誰も行かない場所に行き、他の誰もやらないことをやりなさい) という言葉は、日本の教育や社会に馴染めなかった自分でも、みんなと同じでなくてもよい、できる事を開拓していく人生もいいものだと田中氏を勇気づけます。その後、成り方も分からなかった同時通訳者という職を得るために、「顔が筋肉痛になった」ほど必死の発音と聞き取りのトレーニングに励みます。プロの同時通訳者となってからも、言葉と表現の学習に終わりはないと言います。曰く、「exciting」と「comunity」にピッタリ一致する日本語はいまだに見つからないと語っています。

 本作には留学中の話はもちろん、英語学習についてヒントとなるお話が随所に登場します。しかし、私たちが想像していた様なスペシャルな学習方法は見受けられず、ごく単純な聞き取りの繰り返しや発音練習の繰り返しでした。また、モチベーションは他者から与えられるよりも、内から湧き出るような興味や短期目標(留学、テストスコア)の方が大きく人を動かすことも読み取れました。受験やテストを短期目標の一つとして意識し、内なるモチベーションを呼び起こして頑張っていきましょう。
2022年04月30日 17:11

[中高一貫校] 週刊ダイヤモンド

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[中高一貫校] 週刊ダイヤモンド

 今年も「週刊ダイヤモンド」から中高一貫校、塾特集号が発売されました。具体的な学校名や塾名が登場する号ですので、ビジネスパーソン以外の保護者の方や、子育て中の方も気になる特集ではないでしょうか。隅から隅まで読むのは私たち塾講師に任せるとして、ここでは一読をお勧めしたい内容をご紹介したいと思います。

 最新受験トレンド分析や偏差値ランキングは例年似通った内容なので、実際に来年受験を考えている方以外は軽く見るだけでも十分だと思います。今回新たに特集の前半で「都立校の入試倍率が急降下」という見出しページがありますが、これは茨城県から中高一貫校を目指す方も参考になる分析がなされています。都立校受験者にとって、都立校の適性検査の難易度がここ数年である程度知れ渡り、受験倍率が落ち着き始めたのではないかというのが一点。都立受験を途中から方針転換したグループの受け皿として、私立中高一貫校が適性検査型入試を設定し出したことが、結果的に都立校の受験倍率を押し下げたのではないかというのがもう一点です。同じことは茨城県にも言えて、一昔前の異常な倍率は落ち着き、現在は水戸一校附属中の4.94倍を筆頭に並木中等3.76倍、水海道一附属中3.88倍と、おおむね4倍〜3倍前後といったところが多いです。また、県内の常総学院や土浦日大といった私立校も適性検査型入試を用意していることから、規模は違えど都立と同じ現象が見られています。

 特集中ほどに行くと、中高一貫校入学後から卒業時の難関大合格実績をもとに弾き出されたレバレッジ度ランキングがあります。都立最難関の小石川中等や立川国際中等、関西の難関校白陵や西大和学園を抑えて並木中等が1位を獲得しています。入学時の難しさに比して難関大合格実績が高いということを表し、6年間の教育内容が優れているとデータから分かります。ただし、難関大への合格者数のランキングではないため、数の多さでいうと他校に及びませんが、在学中の学力の伸びが確かであることが読み取れます。

 今年の特集号では以上の様な中高一貫校の受験トレンドが読み取れました。あえて言うまでもありませんが、関東・関西ともに中学受験率は右肩上がりで、首都圏においては5人に1人が受験をする状況です。受験が特別な事ではなくなりつつあるからこそ、志望校選択や受験戦略を日頃から意識して学習、進路指導に臨むことが大切です。

「週刊ダイヤモンド4月23日号」目次: https://www.diamond.co.jp/magazine/20244042322.html
 
2022年04月23日 16:59

[中高一貫校] 中学受験

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[中高一貫校] 中学受験

 今回は中学受験の舞台裏を追いかけた「中学受験」(横田増生著)をご紹介します。一般的な受験情報誌や記事が中学受験のメリット面ばかりを報道しているのに対し、本作では中学受験をする上での経済面、私立学校の経営面、合格・不合格者の声をバランス良く拾っています。初版が2013年ということで、情報の鮮度としてはやや劣りますが、中学受験の本質的側面は上手く捉えている作品となっています。

 中学受験といえば私立中学ばかりを思い浮かべがちですが、本作では台頭してきた公立中高一貫校もクローズアップしており、都立最初の中高一貫校である白鴎高校附属中学校を取り上げています。白鴎高校附属中の第一期卒業生は、東大5名、一橋大2名、早慶上智66名など、公立中高一貫校のポテンシャルの高さを教育業界に見せつけました(白鴎サプライズ、白鴎ショック)。白鴎附属中はその後も東大合格者を輩出しており、偏差値は60前後となっています。もちろん公立中高一貫校は倍率が高くなりがちですが、大学合格実績という出口の伸びを見る限り、中学受験のコストパフォーマンスは私立中学より高い場合が多々あります。ここ茨城県でも公立中高一貫校の新設が相次いでおり、水戸一高附属、土浦一高附属、並木中等に関していえば入学から卒業後のコストパフォーマンスとしては私立を上回っていると思います(並木中等2021年度東大9名、京大5名、東北大10名、筑波大25名)。

 また、塾業界の奮闘と私立中学校との共存共栄関係も垣間見る事ができます。塾講師を学校内の演習講座に招いている学校や、指導ノウハウを伝達・連携しながら大学進学実績を支えている学校など様々です。塾・予備校不要を掲げる学校は、こうした手厚い教科指導に少なからず外部講師の力やICT学習を取り入れています。逆に、受験指導は特段に行わないという姿勢の中高一貫校に通った場合、大学受験に備えては半数以上の生徒が塾や予備校に通っている現実も見えてきます。

 本作品が刊行されてから10年近い年月が経っていますが、大方中学受験の本質に変化は起こっていないように思います。当時との違いでいえば、公立中高一貫校の実力がある程度認知されてきたことと、中学入試の科目や制度が一層細分化し、受験者数自体は増加傾向にあるという事です。今後も英語入試やプログラミング入試などが増加するのは明らかですので、教育業界の流れと受験する際の勝負科目などを余裕を持って検討する必要がありそうです。
2022年04月19日 17:43

[中学受験] それぞれの受験理由

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[中学受験] それぞれの受験理由

 今回は受験を通して変化していく子どもや家族の成長を描いた「金の角持つ子どもたち」(藤岡陽子著)をご紹介します。小学6年生から急に都内の難関中学を受験したいと宣言する主人公。塾通い、学校生活、家族の勤務形態など、受験を通して家族の思いや環境が変化していきます。都内の大手塾と思われる塾も登場し、難関校の受験生の生活がどの様なものなのかを垣間見る事ができます。

 学校と塾での友人との出会いを通し、子どもたちのそれぞれの受験理由が描かれています。家族や兄弟姉妹が通っているからという外的な要因もあれば、本人の強い目的意識による受験もあります。主人公の場合も内に秘めた想いから受験を決意します。一方で、受験とは周囲の情報や反応、意見、信条に少なからず影響を受けることも本編から分かります。主人公自身も、両親の会話や、学校の先生、塾内のトップレベル層を目の当たりにし、何度も心が揺れます。そんな中、主人公が通う塾の先生は生徒たちの気持ちのブレや伸び悩みをよく観察しており、主人公にも適確なアドバイスをしていきます。本編の趣旨とは少しずれますが、受験生とも家庭とも距離を取れる塾だからこその役割というものが読み取れ、何度もうなずく場面がありました。講師の役割は生徒を応援するのではなく「一緒に戦う」ことだという場面は特に好きです。

 高校受験や大学受験とは異なり、中学受験をするそれぞれの理由は家庭の方針や環境、友人の影響といった本質的でない所に動機があることも確かです。一方で、主人公の様に「自分の人生を変えるため」という熱い想いから挑戦するのであれば、その受験は合否以上に大切なものを子どもに教えることさえできるのです。新学期は何かを始めたり、決定したりする機会が多くなります。もし勉強や受験という環境に飛び込むのであれば、その決断は将来的にプラスとなって返って来ることでしょう。私たちベターアップも4月からのスタートを一緒に戦いたいと思います。
2022年04月10日 11:08

[医学部] 普通の環境から環境から目指すには

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[医学部] 普通の環境から目指すには

 冬から春先にかけて、新聞や広告チラシでは塾の広告が増加してきます。年間を通してCMや広告を出している大手塾のみならず、中規模塾や首都圏の珍しいタイプの塾も広告を打ち出してくれるのがこの冬から春にかけての募集シーズンです。数は少ないですが、医学部専門予備校も広告を出しており、やはり普通の塾とは料金体系もカリキュラム構成も毛色が違うなといつも新鮮な気持ちで読んでいます。

 一方で、そうした医学部専門予備校に高校在籍中から、あるいは浪人生として本科コースに通えるのは教育資金が潤沢にあるご家庭か、一度社会人を経て資金を貯めて来た学生に限られるのではないかと思っています。医学部に精通した専任講師による対面指導に加え、場合によっては寮を契約することもあるでしょう。直前期ともなれば、小論文や面接対策、志望校別対策講座も設定されます。これらを全て受講した場合、生活費も考慮すると年間を通して数百万円は必要となってきます。既に親族の中に医学系の方がいたり、高校生になる前から医学部を明確に目指しているご家庭を除いて、受験をする段階でここまで費用負担できるのは普通の家庭では少数ではないでしょうか。

 では、ごく一般的な家庭から医学部を目指したい場合どうするか。考えられる方針は2つあります。1つは、医学部コースや難関国公立・医系進学クラス編成のある地域のトップ校に入学するという方法です。茨城県内でいえば、江戸川学園取手や土浦日大といった私立校、県立高校では水戸一校や土浦一高、並木中等などに合格すれば難関、医系に特化した授業を受ける事が可能です。加えて、資金に余裕がある場合は地域の医学系を指導できる塾、あるいは東進ハイスクールの様な難関校受験のコンテンツを提供できる映像塾を活用したいです。指導者や学生スタッフの中に現役の医学部生や指導実績のある講師がいればなお良いでしょう。

 もう一つの方法は、主に地域のトップ校に入れなかった場合のケースです。こうした場合、学校の授業を受けているだけでは医学部合格の実力を養成することは難しいと思われます。最初のケースと同様、まずは地域の医学系を指導できる塾、予備校を活用する事が得策です。学校では提供されることのない医学部に特化した情報や指導を得られるということから、何らかの形で塾や予備校の力を借りると良いでしょう。もっとも、近年はスタサプに代表される優良なオンライン授業というものが存在します。自分で生活を律しながら学習できるのであれば、そうしたオンラインコンテンツをベースに、演習と対策を組むことがきちんとできれば可能性は見えてきます。

 以上見てきたように、首都圏で展開される様な医学部特化型予備校を活用しない場合、地域のトップ校に入学するか、普通の塾・予備校とオンラインコンテンツをフル活用する方法が考えられます。いずれにしろ、医学部を目指す場合はプロの助言や指導の手を借り、なぜ医学の道を目指したいかを深く自問する姿勢が必要です。医学部受験においては面接やグループディスカッションで不合格となることも起こり得ます。受験勉強をすることに加え、医学を目指す心からの動機を自分の言葉で伝える必要があるのです。
2022年03月31日 08:08

[参考書] 忍耐力を持って取り組む

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 News Picksの公開動画の中で学習に関する回があり、学習の専門家たちが討論していました。その学習の専門家の中に予備校講師の吉野敬介先生が混じっており、思わず試聴してしまいました。予備校での指導経験の中から効率的な学習とは何かを伝えておりましたが、やはり吉野節は健在で、話に引き込む力は他のコメンテーターとは一味違うなあと思いながら見ておりました。

 記憶の定着に関するテーマの流れから、「できない生徒に限って参考書をたくさん持っている」と吉野先生は語ります。少し解き進めた段階で飽きてしまい、そのタイミングでまた新しい参考書を手にしては同じことの繰り返し。勉強しようという意欲は素晴らしいですが、努力を向ける方向性がズレてしまっている生徒がたくさんいるとのことです。例えば、世界史や日本史といった科目で論述対策の問題集は一冊で十分なはずです。それにも関わらず、不安からか一冊をやり通すのではなく、別の出版社の論述問題集を買って、結果どちらも歴史の前半の章までしか終わらなかったという事態が起こりがちです。友だちやネットの評判などによっていろいろな参考書に目移りすることもあるかもしれません。しかし、大切なのは参考書を完全に活用し理解し、演習量を確保することです。吉野先生曰く、「忍耐力を持って取り組む」です。一冊を完璧に活用し切って、なおかつ次のレベルへステップアップする必要性があるときのみ、別の参考書へと移るのがよいのではないでしょうか。

 家庭学習においても同じことは言えます。まずは学校・塾で使用しているワーク・テキストを十分に消化すること。その上で補足が必要な場合には、単元や目的を絞った市販の参考書を検討するのがよいかと思います。学校・塾と同レベルの参考書を同時並行に行っても、それぞれの理解・習得が分散してしまうだけです。まずは目の前のテキストを忍耐力を持って使いこなすことから始めましょう。
2022年03月23日 18:04

[みどりの学園義務教育学校] コスパ最高の公立校

[みどりの学園義務教育学校] コスパ最高の公立校

 
つくば市立みどりの学園義務教育学校は茨城県つくば市に2018年に開校した9年間の小中一貫校で、全校生徒は1600人。公立校ながら英語教育やICT教育に注力しており、県内外の教育関係機関から注目されています。低学年の内からiPadや大型ディスプレイを使った共同学習、プレゼンテーションに取り組んでおり、私立学校と見間違えるほどの先進的な学習スタイルを取っています。学校の立地もつくばエクスプレス「みどりの駅」から徒歩数分という好立地にあります。公立校にして充実した学習環境を享受できることから、茨城県内の公立学校として、教育の費用対効果はかなり高いと思います。

 みどりの学園義務教育学校は学校として社会に変革をもたらせる「チェンジメーカー」となる生徒の育成に努めています。その方針の下、9学年全てにおいてICT活用授業、探求型学習、プレゼンテーションなどを取り入れています。もちろんプログラミングも2018年の開校以来取り組んでおり、「スクラッチ」などの視覚的プログラミングによりロボットを操作したり、「マインクラフト」を通して未来の環境都市を創造する学習も手がけています。また、図書館は英語の絵本などが豊富に用意されており、開放的な設計を取り入れています。私たちの抱いている学校の図書館というイメージと違い、だいぶ開放的で明るい印象となっています。ここなら読書や調べ学習もはかどると思わせてくれます。その様にして調べたり、考えた学習成果を発表するプレゼンテーションのスキルも身につける事ができます。実際に、校舎の教育風景を文部科学大臣も視察に来ており、生徒たちはその場で臆せずプレゼンテーションを披露しています。電子黒板を用いての生徒の意見紹介や、タブレット端末を持つ生徒が発表する様子は、世界の先進国では珍しくありません。日本の公立校において、ようやくここまで追いついたかという感想を持ちました。多様な学びのスタイルは生徒の興味に火をつけるきっかけとなります。学校の勉強がヒントとなって自分から没頭できる分野を見つける事ができたら、学校や保護者としてこれ以上の喜びはありません。

 以上見てきた様に、今回は公立校ながら最先端の教育環境を用意しているみどりの学園義務教育学校を紹介しました。一連の取り組み事例を見て、ようやくグローバルスタンダードな教育風景が身近なものになってきたなと感じました。先進的な教育というとつい私立学校に目が行きがちですが、自治体や学校として優れた教育環境を整備している事例は他にもあるはずです。ICT分野やSTEAM教育で優れた取り組み事例を今後もご紹介していきたいと思います。
 
みどりの学園義務教育学校HP: https://www.tsukuba.ed.jp/~midorino/
2022年03月16日 15:03

[国際教養大学]秋田県の最強公立大学

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[国際教養大学]秋田県の最強公立大学

 秋田県秋田市にある国際教養大学(通称AIU)をご存知でしょうか。海外のキャンパスを想起させる広大なキャンパスに、国際教養学部・国際教養学科のみの単科大学として存在します。主な特徴は、全寮制で授業は全て英語、1年間の留学が義務付けられている点です。公立大学ということもあり年間の学費は70万円前後(寮費・留学中の生活費除く。2022年度)と、私立大学に比べても教育へのコストパフォーマンスはかなり高いと思います。語学教育に留まらずグローバル人材としての教養を身に着けられる大学として高い評価を得ています。2004年の設立以来、学生からの人気も上昇中で、現在の偏差値は67.5~70(スタサプ進路)と立派な難関大学となっています。共通テストと個別試験の英語併用型、英語と国語受験、英語と小論文受験という入試方式が用意されており、英語と共に国語力を入学時に重視していることが分かります。

 英語を話せるようになりたい学生はもちろん、本当の意味でのグローバル人材として活躍したい学生にはお勧めの大学です。多くの授業が1クラス20名以下で、ディスカッション、プレゼン、レポートといった課題からいい意味で逃げることができません。キャンパスの4人に1人は海外からの留学生です。また、グローバル人材として活躍するために日本人としての確たるアイデンティティを重んじていることから、日本史に関する講義、日本文化に関する授業が充実している点もAIUの特徴です。何語を話せるかより、何を話せるかということを重視しています。日常会話を流暢に英語で話せることはAIUにとって最終目標ではないのです。こうした骨太のキャンパスライフを支えるのは教職員の他に、施設面からの貢献もあります。「中嶋記念図書館」は365日24時間利用可能で、秋田杉を用いた独特の傘型円形図書館はまさに知のコロッセウムです。一般入場も可能なので、一度は訪れてみたい図書館の一つです。

 秋田県という恵まれた広大な立地で国際教養を学び、世界に通用する学生を育成する、まさに最強公立大学です。単に英語が話せるではなく、英語でビジネス、社会に価値提供したいと考えている受験生にはお勧めの大学です。


国際教養大学HP:https://web.aiu.ac.jp
2022年02月24日 17:03

【土浦一高】Noblesse Oblige

【土浦一高】Noblesse Oblige

 前回茨城県内最高難度の水戸一高を紹介しましたが、水戸一と双璧を成すのが県南地区にある土浦一高(附属中あり)です。令和4年度の志願倍率こそ1.19倍と、水戸一高の1.82倍よりは低いですが、偏差値72と間違いなく県内難関校です。合格実績でも水戸一高と競っており、令和3年度の東大合格者数は22名(水戸一23名)、筑波大36名(水戸一23名)、東北大21名(水戸一38名)と、好敵手の位置付けにあります。水戸と土浦は地理的に離れている事情があり、受験生がこの2校を天秤にかけて検討することはほぼありません。県北に近いトップ層の生徒は水戸一高を、県南に近いトップ層の生徒は土浦一高を目指すというイメージです。どちらに入学しても、校内で上位にいれば東大をはじめとした難関大、医学部に合格できる可能性が高くあります。

 土浦一高は教育理念の「Nobless Oblige」の下、高い知性と豊かな人間性を涵養することを目指し、授業のみならず、学校行事や部活動、探究型学習への取り組みが盛んです。自立型探究学習のフィールドワーク、プレゼンテーション発表などのテーマを見ても、SNSと若者、SDGs、ジェンダー論など、さながら私立学校のような活発な活動を見せています。同じことは進路指導にも通じていて、「授業第一主義」を掲げ、一つひとつの授業を大切にしています。実際、同校の定期テストには東大をはじめとする難関大の問題が出題されることから、学校の授業をきちんとこなすことがすなわち大学受験対策につながっています。もちろん、同校の在籍生も予備校や塾に通っている生徒もいますが、塾なしで校内の課外活動をフル活用して大学受験に挑む生徒もいます。高校2年次からは医学系コースを設けており、二次試験対策はもちろん、医学部特有の小論文・面接対策も校内で実施します。また、水戸一高と同様、東大研究会(他難関大含む)が設けられていることから、予備校並みのハイレベルな課外授業が展開されています。受験勉強を生徒任せにしない、「授業第一主義」を掲げる同校ならではの手厚い進学サポートと言えるでしょう。
 
 同校の高い進学実績は校内の「Nobless Oblige」の伝統と、教職員の努力による課外講座によって支えられています。茨城県南から全国トップ大学を目指す志がある受験生には、ぜひ目指して頂きたい学校の一つです。

土浦一高HP:https://www.tsuchiura1-h.ibk.ed.jp
2022年02月23日 01:51
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