[神経可塑性]運動と脳の関係
「スマホ脳」「ストレス脳」で大ブレイクしたアンダース・ハンセン氏の名著「一流の頭脳」を振り返りたいと思います。今もなお店頭に平積みされている「スマホ脳」「ストレス脳」ですが、これら作品の源流にあたる作品が今回の「一流の頭脳」です。
「一流の頭脳」の章立てにはストレス対処、集中力、記憶力、学力などが含まれています。全ての章で共通して結論づけられているのが、運動こそが健康な脳と人生に有効であるということです。実験や統計データの分析から、激しすぎない適度な運動を続けることが、脳の働きと健康に好影響を及ぼすという結論を導いています。ストレスや精神疾患についても、投薬治療以上に運動習慣がもたらす改善効果を紹介しています。
今回の作品でもう一つ強調されていることが神経可塑性です。運動を習慣的に行う行動変化や、考え方を改善する時に見られる脳の変化を言います。神経可塑性は子どもの時期の方がより柔軟性が高く、習い事や学習に活かすべきとされています。一方、大人になると神経可塑性は失われるかというとそうではありません。神経可塑性という脳の特質は老齢になっても失われることはありません。新しいことを覚える、習慣を変えるなどは大変な労力に思われるかもしれませんが、脳に備わっている神経可塑性を持ってすれば、それは不可能ではないということが分かります。ハンセン氏の著作に共通して見られる運動の大切さ、そして脳の持つ神経可塑性こそが、人生100年時代を前向きに生きる一つのヒントとなっていると言えます。
2024年04月17日 14:56