[読書力]本と学力
本を読む子どもは学力が高いのか?本作品ではこの問いに対して小中学生約4万人の調査データを元に徹底的に迫っていきます。また、読書への入り口となる読み聞かせの効用についても、子ども・親双方の脳反応から解析しています。
読書が学力に与える影響についてまず明らかになったのが、小5〜中3の平日読書時間が30分に満たないと4教科の偏差値が50以下、30分以上になるにつれて偏差値50以上へと上昇していく傾向があるということです。ここには勉強時間は含まれていないので、純粋に生活の中に読書習慣がある子どもの学力が高いということを示唆しています。ちなみに、どの科目に最も影響を与えるかについても調査がなされていますが、国語の学力に最も貢献しているのは当然として、算数・数学についても学力に対する寄与度が見られました。算数の文章読解や論理力といった点に読書が好影響を及ぼしているようです。いわゆる「頭の回転が速い」という現象も、読解を通した言語理解の神経回路強化が進んでいる、という説明ができるようです。
本作品では読書と同様に幼少期の読み聞かせも脳内の情動を司どる分野や言語理解分野を成長させることを示しています。小学校に上がる前段階からの読み聞かせをすることで、国語力と共に感情・心情の成長を期待することができるようです。読書力を幼少時に身につけさえすれば、あとは本人の興味に従って読書を積極的に行っていくことでしょう。幼少期、学齢期からの読書経験がその先の高校入試や大学入試にまで通ずると考えれば、読書がいかに身近で、かつ有用なものであるかが分かります。
2023年01月12日 14:45