[最高の子育て]子どもの才能を見極める
今回はハッピーエデュ代表はせがわわかさん著の「頭のいい子にする最高の子育て」より、子どもの学習に関する効果的な指導法をご紹介させて頂きます。本作品は主に未就学児の生活、コミュニケーション、遊び、学習に関して科学的に論じていますが、その中のいくつかは塾に通う年齢の子どもたちにも応用が効くものだと思います。
子育てのベースは遺伝的要因と環境的要因双方の影響を受けるので、どちらかを過剰に重視したり、無視することはよくないと述べられています。環境的要因は、各家庭での教育方針、利用する教育機関の指導方針の影響を多分に受けます。この点、ある程度保護者が望む方向性に合わせた学習・教育環境を用意することができれば、子どもは自然と環境から学び成長していきます。一方、遺伝的要因はどうでしょうか。子どもは親のパーソナリティをある程度受け継ぎますので、逆に言えば、親のパーソナリティをまず把握し、それに応じた教育、子育てをするとスムーズに成長させることができるということです。本作品の中では、親のパーソナリティを「行動・ポジティヴ型」「情緒安定・自身型」「努力・自制型」「冷静・熟考型」「調和・利他型」「感性・信念型」に類型しており、これらのどれかに当てはまるか、複数の性質を持つ場合、その型に合ったコミュニケーションと子育てが有効であると述べられています。たとえば、保護者が冷静・熟考型なのに、子どもには社交的になってもらいたいあまり行動・ポジティヴ型の指導、押し付けをしても子どもは全く受け入れないということです。
また、皆さんが気になる習い事に関してですが、未就学児や低学年の子どもが自ら将来に役立つ習い事を選択することは不可能です。そのため、スタートの段階では親が選択肢を提示し、それらの中から子ども自身が「選んだ」と思えるように誘導することを勧めています。後々習い事を辞めたり変えたりすることが発生したとしても、その時点で子どもが主体的に楽しんでいたり、どうやったらできるかな、上手くなりたい、頑張りたいといった肯定的な気持ちを感じることができれば十分であると述べられています。こうした感情は、成長した後の自己肯定感や有能感、受容感につながります。勉強系の習い事に関しても同じで、難しいドリルや課題を解けることよりも、比較的簡単に解けて達成感ややりがいを感じられるレベルの授業がお勧めです。簡単な課題ばかりこなしていても、まずは苦手意識を持たせない達成感が大切です。論理的思考力が育まれ出す8歳~9歳ころにはスムーズに文章題や図形問題へ取り組むことができるようになると述べられています。
子育てについて考えるとつい環境的要因ばかりに目が向いてしまいますが、上記の様な遺伝的要因も加味した子育てが大切なようです。子どものパーソナリティに合わせた教育指導は何歳からでも有効です。日ごろの子どもの様子をよく観察し、最適な学習環境を少しずつ作り上げていきましょう。
2022年12月03日 14:37